ネクラ少女は黒魔法で恋をする

MF文庫Jの新人さんの作品。第1回MF文庫Jライトノベル新人賞・佳作受賞作です。
黒魔法にハマっているネクラで内気で内弁慶な女子高生が主人公。ある日、本当に悪魔を呼び出す事に成功した彼女は「自分を可愛く変えて欲しい」と悪魔に願う。その願いを叶える代償として、「男を好きになってはいけない」と言う約束をするのだが...。
こんな感じの話。主人公の女の子の一人称なんですが、その心情描写が読んでいて楽しい。被害妄想と劣等感の塊だけど心の中では超強気で、二言目には「呪ってやる」なんて考えているようなキャラ。一般的に見れば明るくて親しみやすそうなクラスメイトも、この主人公にかかればメスのジャイアン扱いですよ。この弾けっぷりは、いっそ清々しいぐらい。
イメチェンに成功した後も、やっぱり二言目には「呪ってやる」なのに笑った。見た目変わったって中身は変わらんし、逆に見た目変わらなくても中身が変われば十分イメチェンになるし。内気な主人公が、キッカケはどうあれ徐々に変わっていく様が良い感じでした。外見よりも中身が重要って事ですかね。
話自体はテンポ良くサクサクと進むものの、中盤はそれほど盛り上がる所は無いし、ラストも予想通りの結末で、意外性には少々欠ける展開だったりするんですが、それを考えても普通に面白かった。今後にも期待と言う事で。