虚攻の戦士

『あそびに行くヨ!』の作者、神野オキナの新刊。GA文庫です。
デブでオタクな高校生が主人公。普段は冴えない主人公だけど、その裏では人間の日常を脅かす「集積者」と戦う戦士で、幼馴染である女の子との平穏な日々を守るため、戦う毎日。そんな中、ある日、一人の転校生がやってくるのだが...。
こんな感じの話。『あそびに行くヨ!』とは違うシリアス路線なお話でしたが、それなりに面白かったです。
序盤、世界観の説明が無いまま話が進む辺りは読み難かった。最後まで読んでも、結局良く分からなかった設定があるのも少し残念。この辺は、次巻以降に語られるのかも知れませんが...それでも、もう少し説明が欲しかったなぁと。
また敵の設定や戦い方が独特で、虚数やら実数やら、あちこちに数学っぽさが漂っているんですが、あくまで数学「っぽい」だけで、深い意味が無さそうなのが少し微妙かも。数学ならでは、と言う部分があれば良かったのですが...。
しかし気になるところに目を瞑れば、非常に真っ直ぐなストーリー。世界設定以外には奇を衒ったような展開はありませんでしたが、それ故安心して楽しめました。ヒロインはツンデレだし。しかし王道を突き進むお話なのに、主人公がデブと言うのは、かなり珍しい気がします。他には『A君(17)の戦争』ぐらいしか思いつかん。
という訳で、普通に読めた1冊でした。シリーズ化するっぽいので、続きにも期待。