サンタ・クラリス・クライシス
- Title : サンタ・クラリス・クライシス
- Author : ヤマグチノボル / Illust : 並木太希
- ISBN:4829117850 / 富士見ファンタジア文庫
『ゼロの使い魔』シリーズの作者、ヤマグチノボルの新刊。
ヒロイン・クラリスはフィンランド在住の"本物"のサンタ見習い。修行のために日本にやってきた彼女は、主人公・浩二に出会い、そのまま彼の家に居候する事に。主人公に好きな人が居る事を知ったクラリスは、クリスマスのプレゼントとして、二人の仲を取り持とうと考えたのだが...。
こんな感じのお話。ヒロインは完全な箱入り娘で、物凄い世間知らず。学校にも行かずに育ったと言う設定で、同年代の友人は皆無。そんなヒロインが、主人公の家に居候しながら同じ学校に通うようになり、そこで主人公と主人公の想い人が仲良くなっていく姿を見て、知らず知らずのうちに嫉妬していく。いやー素晴らしい。これはとても良いラブコメでした。
『ゼロの使い魔』のように戦争パートみたいなものは無く、頭から終わりまで全部ラブコメなのもグッド。凝った事やっていない分、話が綺麗にまとまっている気がしました。変に勢いがあってテンポ良く進むので読みやすいし。ただ、あまりにもサクサク読めて、少し物足りなかった感じもしましたが...慌しく感じるような展開も無かったし、ちょうど良い分量だったのかも。
序盤は主人公とその友人の痛々しさに笑い、中盤のラブコメに悶え、一筋縄ではないけどスッキリした読後感の良い終わり方に感心する。そんな1冊でした。