レンタルマギカ 竜と魔法使い

三田誠の新刊。『レンタルマギカ』シリーズの第4巻です。
相変らず、どこが「レンタル」なんだとツッコミを入れたくなるような展開ですが、それはさておき。色んな系統の魔術師が入り乱れて活躍するこのシリーズ。今回は主人公の持つ<妖精眼>に関する過去と、それにまつわる世界最強の存在が覚醒するお話です。
主人公を中心にして話が進んでいるのは確かですが、しかし決して「主人公が話を動かす」訳では無いのがこの作品の特徴でしょうか。主人公の存在自体がストーリーの重要な伏線になってるからなー。
と言う訳で主人公の活躍よりも、その周囲を固めるキャラ達の動きが面白い。とりあえずアディリシアの出番が多くて満足。自分の気持ちを誤魔化すような事はしない素直な性格なのに、それを表に出そうとすると途端に素直じゃなくなるのがたまりません。良いキャラですね。
一方の穂波。今回は彼女の過去が密接に絡んでくる話だったのでメインに書かれてはいるんですが...昔の負い目に囚われて盲目的にウジウジしてて、それほど目立ってなかった。彼女の過去は話の核に関わっていて、非常に重要なポジションにいるキャラですが、その分情報も小出しになっていて魅力が半減している気がします。まぁこの巻で大分振っ切れたようなので、次からに期待しますか。
本格的な敵っぽい存在が表に出てきて、主人公の過去と合わせて今後への伏線もバッチリ。来月にまた新刊が出るらしいので、そちらも楽しみです。