トリックスターズL

トリックスターズ』2巻目。
魔法について研究する"魔学"。日本で唯一この魔学を扱う大学を舞台に、この大学で教鞭をとる、世界で6人しかいない"本物"の魔術師の一人・佐杏冴奈と、彼女の研究室の学生が、巻き込まれた事件を解決していくミステリー作品です。
今回のテーマは嵐の山荘と密室。外部から隔絶された研究所の中で、密室で見つかった首吊り死体。当初は自殺と思われていたが、第2の事件が起こる事で話が複雑に...と言うお話でした。
1巻が面白かったから、シリーズ化してくれたのは嬉しい限り。この2巻も普通に面白かったです。
魔法が使えると何でもありになってミステリーとしては成り立たないんじゃ? 不安もあったりしましたが、このシリーズはそんな無茶をしないのが素晴らしい。壁越しに人を殺して密室殺人!! とかやらないし。魔法で出来る事と出来ない事をキチンと書いた上で、トリックに活用しているので、魔法がミステリーの味付けとして利いているのが良かったかと。濃いミステリーファンからすると、感じ方は違うかもしれないけど。
しかし終盤、主人公が真面目な顔して、余りにもメチャクチャなトンデモトリックの解説を始めた時は、正直「オイオイそれ不可能だから」と思わずツッコミ。さらに、このトリックが今回の事件の真相で、この作者が本気で可能だと思って書いているのなら、もう続きを買うのをやめようとまで思ったものですが...ちゃんと無理だと分かっている上で、本当の真相は別に隠れてたので一安心。なかなか驚かせてくれました。
この調子で順調にシリーズが続くと嬉しい。次の巻にも期待です。