導きの星

小川一水の『導きの星』シリーズ。全4巻、ようやく読了です。
高度に発展した地球文明は、他の星に生息する異星人たちの未発展な文明の進歩を支援するために<外文明支援省>を設立した。異星人の暮らす星へ派遣された<外文明監察官>は、コールドスリープを繰り返しながら、文明の転機に目覚めて影ながら発展を支援する。主人公・ツカサは、そんな監察官の一人。3人のアンドロイドと共に彼が見守るのは、「スワリス」と言う異星人で...。
こんな感じ。文明の進歩を軸に、何百年と言う時間単位で星を見守る<外文明監察官>と、異星人「スワリス」の交流を描いたお話です。
最高に面白かったです。「スワリス」は、リスと猿を足して2で割ったような異星人なんですが、最初は森の中、樹の上で暮らしていた彼らが、火を使う事を憶え、機から降りて町を作る。町の次には国を作り、戦争が起こる。そして、最後には宇宙にまで進出します。各ステップで全力を尽くすスワリスに、それを少しだけ後押しするツカサ達。その光景が本当に素晴らしい。
当然の如く、各時代ごとに中心となるスワリスは違うんですが、その誰もが魅力的なキャラです。4冊もあるんで、出てくるスワリスの登場人物はかなりの人数になるんですが、嫌いなキャラが思いつきません。世代交代を繰り返すスワリスだけど、子孫には確実に先祖の面影が残っているのも良かった。チチュワ, クラリコ, クルケン, ティホ, トッコ, チキ...どいつもこいつも最高だ。
ただ終わり方が、かなり駆け足になっている印象が否めません。結末自体は良いんですが、もう少しページがあったらなぁと思わずにいられませんでした。ラストが良ければ、さらに素晴らしかっただろうに。
と言う訳で、かなり満足の行く作品でした。これで手持ちの小川一水作品は全部読んでしまった。まだ未読の作品もあるので、また買ってこよ。