ハイウィング・ストロール

新刊ラッシュに一息ついたので、積本から一冊。ちょっと前の小川一水の作品です。
世界中が重く分厚い重素雲で覆われた地球。かつては高地だった"島"で生活する人々は、空を舞う浮獣を狩り、その身体を食料や様々な材料として使用する事で生活していた。主人公の不良少年・リオは、ある日、ジェンカと名乗る女性から、飛行機に乗り浮獣を狩る「ショーカ」にスカウトされるが...。
こんな感じのお話。生活のために空を翔け、浮獣を狩る。言ってしまえばこれだけなのですが、それがなんと面白い事か。
幾つかある浮獣の狩場を徐々に変えて、段々と浮獣の強さがレベルアップしていくのが読んでいて楽しい。次はどんな浮獣が出てくるのか、終始ワクワクしっぱなし。
さらに最初はロクな働きが出来なかった主人公が、飛行を重ねるに連れて段々力を付けていく訳ですが、その成長に従って、最初は冷たい印象しかなかったジェンカの態度が軟化してくのも素晴らしかったです。
ラストの展開がちょっと急でページ数が足りてないような印象を受けましたが、それを差し引いても終盤の戦いは熱かったし、充分面白かったです。良い本を読みました。
小川一水の作品は結構な数を読んだと思うけど、全然飽きません。次は『導きの星』の予定。楽しみです。