イカロスの誕生日

引き続き小川一水
15万人に1人と言う割合で、翼を持ち空を飛ぶ事の出来る人間・イカロスが存在するようになった現代社会が舞台。イカロスには自由奔放な生き方を好む人間が多く、社会とイザコザを起こす事が増えてきたある日、イカロス達を取り締まる法律が成立した。イカロスである主人公・はるかも、空を飛ぶ権利を奪われた彼らは不自由な生活を強いられる事になったが、1人の男出会った事で...。
こんな感じ。空を飛べる人間達が、ある男の手引きで団結し、社会からの言われなき弾圧に対向していく形で話が展開します。
面白かったです。昨日読んだ作品とはガラっと作風は変わっていて、コメディ色が消えて結構シリアスな展開。キャラで読ませるのではなくストーリーで読ませるタイプの作品ですね。
翼を持ったイカロスが最終的に何処へ飛んでいこうとするのか。この辺の話が綺麗に書かれていてグッド。意表を付かれるような感じではありませんが、1冊でキチンとまとまっていて、楽しく読めました。何故か、『星虫』を読んだ時と同じ様な読後感を味わいました。全然違う話なのになぁ。
しかし、後半が血生臭い話だったのが少し気になったり。人が死んだりするような話じゃないと思っていたから、余計になー。お陰で緊張感が出たのは確かだけど、個人的にはもう少し血の流れないような方法で決着してたら、と思いました。
と言う訳で、微妙に引っかかる所もあったけど面白かった1冊でした。この分なら、未読の作品も期待できますな。楽しみ楽しみ。