円環少女 1

『戦略拠点32098 楽園』の作者の人の新シリーズ。この人の本を読むのは、『楽園』以来2冊目です。
魔法世界で罪を犯した者が堕とされる<地獄> = 地球。この地獄に堕とされた魔導師は刻印魔導師と呼ばれ、解き放たれるには、組織に敵対する魔導師を100人殺さなければならない。ヒロイン・メイゼルも、そんな刻印魔導師の一人。彼女は、地球人が刻印魔導師を管理する組織である《公館》の人間である武原と共に、戦いへと赴くが...。
こんな感じ。保護者にベッタリな小学生魔法少女が、魔法で戦ったり色々する話。
面白かったです。魔法世界と言うのは一つではなく無数にあって、それぞれが別々の魔法体系を持つと言う設定なのですが、出てくる魔法の設定がどれも凝っていてカッコイイ。また、地球が地獄と呼ばれるのは、魔法の使えない地球人にいかなる方法でも観測されたら最後、どんな魔法でも消滅してしまうと言う設定のためです。魔法が使える事を前提とした世界に住んでいる人々から見れば、これは地獄だよなぁと納得。
メイゼルの立ち居振舞いには...なんつーか、悶えました。勝気を通り越して、微妙にサディスティックな性格。それでいて、自分の保護者代わりの武原にはベッタリ。小学校に通う彼女を監視するために、武原はニセ教師として彼女のクラスの副担任をやってたりするする訳で...小学生と教師と言うのは流石にどうかと思いつつも...しっかりやられましたよ。有川浩との対談の中で、作者自身が自分はロリコンじゃないと必死に語ってましたが...この作品を読んだら、急に説得力を感じなくなりました。ナンデダロウ?
しかし、そんな甘い展開だけではなく。後半の激しい魔法戦が熱い。戦い方のみならず、敵味方それぞれ、戦いにかける信念が良い感じに熱くて素晴らしい。どちらの展開も面白かった。
微妙に読み辛い文章がタマにあったりして理解に苦労したりもしましたが、それを差っ引いても面白かったです。これは良いものを読みました。続編が非常に楽しみです。同じ作者の『フリーダの世界』も、今度探して読んでみよ。