涼宮ハルヒの陰謀

ハルヒ』シリーズ第7巻。今回は書き下ろしの長編です。
ある日キョンの元へ、8日後の未来から朝比奈さんがやって来た。理由もわからないまま過去に送られた朝比奈さん。しかも、過去へ行けと指示を出したのは未来のキョンで...。
こんな感じ。キョンが、ほんの少し先の未来から来たみくると共に、彼女が送られてきた理由を考えつつアレコレするお話です。みくるがメイン...のはずなのに、読み終ったときは何故か有希の方が印象に残っていたりした一冊でした。
キョンとみくるさんが一緒に行動している事に、有希がヤキモチを焼いているような雰囲気が微妙に伝わってくるのが、たまらなく良いです。特に、みくるさんから謝れと言われて謝るキョンに対する、有希の対応が素晴らしくツボでした。自分の意思を持ち、行動する事を選んだが故、ですかね。派手にスポットが当たっている訳じゃなありませんが、台詞の一つ一つに変化が滲み出ています。ホント素晴らしかった。
また、ハルヒにはころっと騙されました。いつもに比べて随分と大人しいと思ったら、最後に美味しい所を持って行ったなー。意外な展開...と言うは、少々彼女に失礼かも知れんけど、正直予想もしてませんでした。こういう驚きがあるのは良い事ですな。
ところで、ハルヒを巡る未来人や宇宙人や超能力者たちの動きに変化が出てきて、ようやく話の道筋が見えてきましたね。シリーズとして結構な巻数になってきているので、そろそろ終盤に向けての伏線が張られ始めたといった所でしょうか。今後が楽しみです。