天国に涙はいらない 11

一年と2ヶ月ぶり、『天国に涙はいらない』シリーズの最新刊。
今回のゲストヒロインはメイドさん。舞台は古びた洋館で、家の者が全員戦争で死んだ事を知らずに、ずーっと帰りを待っていたメイド人形が意思を持ったと言う設定です。
「留守を頼む」と言う主の言葉を頑なに守り続ける人形・お蘭がとにかく健気。家を護る事に執着するあまり、家を害する者が現れると見境を無くして攻撃を仕掛けてくるんですが、これも人形と言う設定が上手く使われていたと思います。ラストは予想通りの展開で、意外性は全然無いんですが...だからこそ、安心して読めたと言うか。この作品にピッタリな、綺麗な終わり方でした。
しかし、どんどん律子が人間離れしてきているように感じるのは気のせいでしょうか...