イコノクラスト! 3

榊一郎の新刊。今月2冊目です。
異世界に救世主として召喚された省吾は、巨大ロボット「イコノクラスト」のパイロットとして、敵である神の代行者と戦った。しかしその戦いの中で、護るべき街の人間を踏み潰してしまった事で、ひたすら鬱に入る。戦いを拒否するようになった彼を強引に従わせるために、秘密結社「レネゲイド」は、ある作戦を取る事に...。
こんな感じ。
なんつーか...壮絶。この一言しか思い浮かびません。只でさえ慣れない戦いに加え、人を殺してしまった事で完全に参っている主人公に対して、彼の心の支えとなっていた従妹が...。ひたすらに追い込まれ、精神的にどんどん壊れていく主人公の有様が凄まじいです。また、前々から伏線が張ってあった、彼らの食事の"混ぜ物"の正体も明らかになるのですが...直接的な表現こそ避けられているけど、何が混ざっているかは容易に想像がつく。ここまでやるのか...と言うのが正直な感想。
唯一の救いは、姫巫女たちの心情の変化でしょうか。救世主である省吾を飼い馴らすために存在する彼女たちは、表では救世主を崇拝しているが如く振舞うものの、裏では打算的な感情で行動していたりするんですが...だんだん表と裏の感情がせめぎ合うようになってきているのが良い感じです。このまま、省吾の味方について欲しい所ですが、そんなに甘い展開にはならないんだろうなー。
と言う訳で、とても面白いんですが、読んでいて鬱になる展開満載の1冊でした。次回予告を読む限り、次の巻でもさらに酷い目に遭うようで。とても楽しみだけど、一体どうなるのか、少々怖い...。