復活の地 2

『復活の地』第2巻。
震災で多大な被害を被ったレンカ帝国。この巻では、被災者の救助から国の復興に話が移ります。他の星の列強国家に、多大な野心を抱く首相、そして合理的だけど強引なやり方が批判を浴びて徐々に立場が悪くなっていく主人公・セイオに、首相の巧みな政治運びで、民衆の支持を少しずつだが失っていく皇族の摂政・スミル。災害で荒れ果てた国家を前にして、色んな人の思惑が様々に絡み合っていて良い感じに面白かったです。
また、突然強大な権力を預けられた、世間知らずの姫・スミルの成長も見逃せない所。摂政という立場を引き受けた彼女が、どのように振舞うのかワクワクしながら読み進めたのですが...力を振るうだけの知識も経験もない事を自覚して他者に学び、しかしそれでも己の考えはしっかりと持つ姿勢が素晴らしい。セイオも己の過ちに気付いて、決意を新たにしたりしてるし...期待以上の展開にかなり満足です。
また、終盤で震災の原因が明らかになります。張ってあった伏線通りの要因ですな。3巻は、この原因に対処するための話になるのかな? 何にせよ、後1冊で完結。心して読みますか。