復活の地 1

小川一水に挑戦・その2。『復活の地』です。
レンカ帝国の帝都・トレンカを未曾有の大地震が襲った。各省庁の役人や政府要人、さらには皇族までもが軒並み地震の被害で死亡し、国全体が大混乱に陥る。そんな中で、植民地を治める総督府の官僚である主人公・セイオは、国民を助けるため奔走するが...。
こんな感じ。大地震で崩壊しかかっている国家を、なんとか復興しようとするお話です。
非常に面白かったです。まぁ、まだ1巻しか読んでいないのでこの先どうなるか分かりませんが...生き残った者達が、人々を助け、混乱を鎮めようと必死に努力している様は、読んでいてとても熱い。先日読んだ『第六大陸』もそうでしたが、一つの目的のために多くの人が協力する姿が、素晴らしく良く描かれていると思います。
もう一つ注目するべき所としては、スミルでしょうか。地方に住んでいたため、唯一生き残った皇族の姫です。中央から隔離され、世間知らずのまま生きてきた彼女が、この災厄を乗り切るにあたり、摂政として国の復興に携わっていく事になる訳ですが...いきなり突きつけられたシビアな現実に対してどう対応するのか、また皇族に良い感情を持っていないセイオと、どう折り合いをつけていくのか、この辺りが非常に気になります。
この巻は災害直後の慌しい時期を中心に、国の復興よりも被災者の救出がメインでしたが、次の巻からは仮ではあるものの復活した政府が動き出すので、もう少し大きな枠で話が進みそう。どうなることやら。