座敷童にできるコト

第11回電撃大賞・大賞受賞作『ルカ』の作者の人の新刊。
高校入学と同時に寮で生活する事になった主人公・守屋克喜は、入学式前日、自分の部屋へと案内される。しかしそこには、何故かセーラー服を着た少女が。座敷童の未麟と名乗った少女との、同居生活が始まって...。
こんな感じ。主人公の元に突然ヒロインが現れるという、いわゆるオチモノ系のお話です。座敷童が地球を守っていると言う設定は非常に斬新。襲ってくるワラシモドキと呼ばれる敵と、座敷童が激しく戦います。つーか、なんで座敷童? まあなんでもいいけど...。
また、オカルト信者に魔術マニアに科学信奉者と言う、どれもぶっ飛んだ性格をしたキャラが3人も出てきて、常に電波がユンユンいってる会話を読むのは少し疲れました。この3人に加えて、ヒロインの未麟も、もう一人の座敷童・早秀も、どいつもこいつも人の話を聞かない奴ばっかり。こんな連中に囲まれている主人公には心底同情します。もっと怒って良いと思うぞ。
少々残念だったのは、主人公の考えがイマイチ良く分からなかった所。未麟との同居生活に嫌気がさしているのかと思えば仲良くなったり、逆に仲良くなったと思った矢先に再び邪魔者扱いしたり...コロコロと考え方が変わって、一体どっちが本当の気持ちなのか良く分かりませんでした。ここがはっきりしていれば、同居人の事をからかいながらも思いやっている未麟との関係が、より面白く思えたんじゃないかと。克喜と未麟がメインの話なので、克喜の考えが良く分からないと、楽しめるものも楽しめない気がします。
と言うわけで、この一冊じゃ面白いのかつまらないのか良く分かりませんでした。続き次第と言った所でしょうか。あとがきには特に2巻についての言及は無かったけど、多分出るんだろうし...。