アンダカの怪造学 1

日日日の新刊その2。
異世界アンダカ』より生物を召喚する怪造学。そんな怪造学者を目指す主人公・空井伊依は、怪造学を教える高校の入学試験へ挑む。紆余曲折あったものの、無事高校へと入学できたが、そこで事件が...。
こんな感じ。怪造生物と友達のように接し、アンダカと現実世界の生物が共に暮らせるようになる事を夢見る少女のお話です。
昨日に引き続いて、こっちも面白かった。『怪造学』と言う小道具を使いながら学園物をやりつつ、終盤には山場も用意されていて盛り上がるし、終わり方も綺麗にまとまってます。『狂乱家族日記』のような派手な爽快さは無いけれど、ジックリと腰を据えて、長く楽しめそうな雰囲気が漂ってます。学園物として進めても良いし、伊依と桃子や他の怪造生物の触れ合いを中心に進めても良いし、伊依の成長譚にしても良いし。どんな進め方をしても、きっと面白くなる、そんな気にさせてくれる作品でした。
これで日日日の受賞作は4冊読んだわけですが、個人的なお気に入り順は、
狂乱家族日記』≧『アンダカの怪造学』>>『私の優しくない先輩』>(越えられない壁)>『ちーちゃんは悠久の向こう
と言った感じでしょうか。特に『狂乱家族日記』と『アンダカの怪造学』はシリーズ物なんで、今後も楽しめるのが非常に素晴らしいです。新人賞を総なめにした実力は決して伊達ではないですな。今後の活躍にも注目。