煉獄のエスクード

12月のベロニカ』『眠り姫』に続く、貴子潤一郎の3冊目。シリーズものです。
教会で育った主人公の高校生・深津薫は、ある日、魔界とこの世を結ぶ門の鍵となる少女・ソフィアを魔族から守るため、教皇庁の裏組織・エスクードへと所属する事に。しかしエスクードに所属したのも束の間、来日したソフィアの存在を嗅ぎつけた魔族が暗躍し始めて...。
こんな感じ。現代日本を舞台に、ヴァンパイアっぽい設定の魔族と、カトリック教会の裏組織が世界の命運をかけて争う話です。
生理的に受け付けないキャラが約一名いるのがかなり微妙ですが、終盤の盛り上がりはそれを充分補うほど面白かったです。少女の我儘な態度の裏に隠された真実と、彼女の選んだ決断。この辺の話がとても良かった。ただ...悲劇で楽しむよりも、出来れば幸せな話で楽しみたかったかと。人の生き死には確かに盛り上がるし、悲しい話も好きなんですが...やっぱりハッピーエンドの方が好きなのかも。
ちょっと主人公の印象が薄かった気もしますが、まだ1巻なのでこれからと言った所でしょうか。他の主役級のメンバーは良い感じだし、続きが楽しみです。