四季 秋

『四季』シリーズ第3巻。
この巻は真賀田四季の話と言うよりも、S&MシリーズとVシリーズの総まとめの一冊と言った感じでしょうか。張られていた伏線に決着をつけ、二つのシリーズの関係が完全に明らかに。VシリーズのラストでS&Mシリーズとの関係が分からなくても、ここまで読めば嫌でも分かります。正直『四季』シリーズで真相を知った方がより驚きが大きいので、Vシリーズで気付かなかった方が幸せだったかも。
萌絵と紅子、犀川と保呂草など、二つのシリーズの主要メンバーが入り混じって語られる総集編みたいなノリには大満足でした。唯一の不満は、紫子さんが名前の欠片すら出て来ない事。他の脇役達も全然出てこなかったしなぁ。結局、紫子さんはあれからどうしたんだろう。気になる...。
また『すべてがFになる』で起こった事件の、真賀田四季の動機が明らかになってたりもします。書かれている動機が本当に正しいものなのかは判断できませんが、もし本当なら...とても一途な人ですな。まぁ一途と言うよりも狂気と言った方が近いかもしれませんが。読み終わって紅子や萌絵の事を考えると、天才である事と一途である事は相関あるんだろうなぁと、ふと思いました。
これで後は『冬』を残すのみ。どんな結末が待っているのか、楽しみです。