捩れ屋敷の利鈍

Vシリーズ第8巻。
エンジェル・マヌーバと呼ばれる宝を所持していると言う人物に招かれた、西之園萌絵と保呂草潤平。しかしその屋敷にて、殺人事件が起こる。現場は完全な密室。そしてエンジェル・マヌーバは...。
こんなお話。遂に西之園萌絵が登場。メインとなる登場人物はS&Mシリーズからは萌絵と国枝、Vシリーズからは保呂草のみ。紫子さん出てこねーのかよ、なんて思ったりもしましたが、萌絵もかなり気に入っているキャラなので、問題なく楽しんでしまいました。...紫子さんごめんなさい。
と言う事で、非常に面白かったです。S&Mシリーズでは犀川、Vシリーズでは紅子が探偵役を務めていますが、今回はそのどちらも登場せず、代わりに謎を解き明かそうとしていくのは萌絵。犀川も紅子も話に関わらない展開の中で繰り広げられる、萌絵 vs 保呂草 の静かな戦いが最高でした。どっちが勝つのか、最後までハラハラさせられたのがとても良かったです。どっちが勝ったかは、読んでのお楽しみという事で。
しかし萌絵と紅子、犀川と保呂草ってそっくりだよなー。それぞれの役割はS&MシリーズとVシリーズで逆になっていますが、性格がそっくりと言うか、ものの考え方がそっくりというか。まぁ意図的にそうしているのでしょうけど...この四人が一堂に会するシーンって、今後あったりするんですかね。あるんだったら是非とも読んでみたい。
ところで。すげー意味深なエピローグで終わっているのですが、この真相が明らかになる日は来るんでしょうか。気になって仕方ありません。残りのVシリーズ2冊か、もしくは『四季』で明かされると嬉しいのですが。