i.d. 3

三雲岳斗の新刊です。『i.d.』シリーズの完結編っぽい?
最強の式神使いの巫護であった少女が殺害された事をきっかけに、式神使いたちの間で保たれていた秩序が崩れ始めて...と言う感じで話がスタートするこの巻。主人公の出番があんまりなくて、ヒロインの由希がメインで話を引っ張ります。途中で、「三雲岳斗って液体酸素好きなんだなぁ」と、かなりどうでも良い事を思ったりしつつ読了。
内容的には、これまでに張られていた伏線を大体綺麗に回収した感じ。雙羽塾が崩壊した理由とか、不死の王とはなんの事か、とか。色んな種明かしに終始していて、いつもほどミステリー的な要素は無かったのですが、それでも予想外の展開がチラホラとあって飽きませんでした。文章は相変らずしっかりしてるし、読み終えてスッキリ満足。良作でした。
ラストに出てきた少女が誰だか最初気付きませんでしたが...ふと思い出して『レベリオン』を引っ張り出してみると、あーこいつかと納得。敢えてこのキャラを出したと言う事は、今後の話にも関わってくるんですかね。あとがきを読む限り、『i.d.』シリーズとしては完結っぽいですが、一応まだこの作品世界自体は続くみたいだし。個人的にも、もう少し続きが読んでみたい。これだけで終わるには、キャラも設定も勿体無い気がします。主人公の2代目パートナーである真砂なんて、これからの活躍が、かなり期待できそうなのに。
しかし、あとがきにあるボチボチ書いていくもう一コのアレって、やっぱり『道士さま』シリーズなんだろうなぁ。それよりも『コールド・ゲヘナ』の続き書いて欲しいと思うのは自分だけでしょうか...。