半分の月がのぼる空 4

『半月』の新刊。前巻が凄い終わり方をしていたので、続きがどうなるのかとても気になっていた一冊です。
前巻で心臓の手術を受けた里香。しかし手術自体は成功するが、全快とはいかず。裕一は里香に合いに行こうとするものの、里香の主治医から「もう会うな」と止められて...みたいなお話。
面白かったです。今回は里香の主治医である、夏目の過去がメイン。どこか陰のあるキャラだったので、過去になんかあったんだろうなぁとは思っていましたが...こう言う事でしたか。里香の事で裕一にやたらと突っかかる理由が良く分かりました。こんな過去を背負っていたら、そりゃあ突っかかりたくもなる。
里香と裕一の話がほとんど無かったのは少し残念でしたが、夏目の過去も知りたかったのでこれはこれで良かったです。特にラストにある夏目と看護婦の亜希子さんの会話が、ズッシリと来ました。重いなぁ...。
しかし、どんどんと事態が最悪の方向へと動いていくのが読んでいて少々辛いです。面白かったんだけど、辛い。特に里香が素直すぎるのが...なんとも言えず辛い。どう足掻いても、結末は変わらないんだろうか...。話が台無しになってもいいから、幸せな結末が読みたいと思うのは自分だけでしょうか。次の巻は再び里香と裕一の話だそうですが...どうなるんだろうなぁ。とにかく、期待して待ってます。