私の優しくない先輩

日日日の2冊目。ハードカバーで電車内で読むのは大変でしたが、短かったのでサクッと読了。
主人公・西表耶麻子は身体の弱い高校生。いつも体育の時間は見学していたのだが、ある日、とある先輩からの猛烈なプッシュに負けて、少しだけ参加してみる事に。その時、密かに持っていた手紙がポケットから零れ落ち、その先輩に読まれてしまう。その手紙、実は好きな人へと向けたラブレターで...。
こんな感じで始まるお話です。いやー、これは面白かった。『ちーちゃんと悠久の向こう』よりもずっと好みの話で、大満足。話の構成は、別に変わった事をやってたり特別捻ってあるわけではなく、何処かで一度は見た事のあるような、いたって普通の展開なのですが...とにかく、主人公の一人称で語られる文章が非常に良い。特にラストシーンが素晴らしいです。これは一人称じゃないと書けないよなぁ。良いものを読みました。
ただ、一つだけ難を言うとすれば...話が短すぎる。別に展開が急だったと言うわけではないのですが、もう少し先輩とのやり取りを厚めにしておけば、ラストで受ける印象もより強くなったと思うと、非常に残念でなりません。あんまり長くしすぎても逆効果だとは思うんですが、それでももう少しあったら嬉しかった。
これで2冊。残りの受賞作の発売はいつなんだろう。楽しみにして待ってます。