ブルー・ハイドレード 〜転移〜

『ブルー・ハイドレード』の2巻。
前巻で祖国から追われる事になった主人公たち一行。しかし奪った潜水艦で逃亡生活を送るものの、食料がつきはじめる。補給をしようとしても受け入れてくれる場所は無く、最後の望みをかけて、訳ありの要塞へと向かうのだが...。
こんな話。潜水艦乗りの士官候補生8人と大海賊の娘が、生き残るために海を彷徨う海洋アクションの2巻です。
最初に読んで思った事は、性悪女交代? でしょうか。前巻で叛乱の口火を切ったソリカがそのまま主導権握っていくのかと思いきや、一気に台頭してきたのが、海賊の娘トパーズ。確かに少々影のあるキャラだとは思っていたが、まさかこれほどとは...。内に秘めた人類への憎しみを、比類なき知性からくる戦術を持って晴らしていく様は、結構壮絶。しかし、ほとんど全部このキャラに見せ場を持っていかれた感じで、他のキャラの印象が薄いです。未だにほとんどのキャラで、名前と能力と性格が一致しない。冒頭に人物紹介があるから何とか読めるものの...他のキャラも立ってくると、より面白くなると思う。
後半にある潜水艦同士の戦闘は、申し合わせたかの如きの裏の取り合い。どんだけ頭の良い人間ならここまで出来るんだと疑問に思いましたが、それなりに読めたので気にしない方向で。ただ、どんな状況で戦っているのかイマイチ良く分からん。もう少し状況が理解しやすいと楽なんだけど。
次の巻でもトパーズの一人舞台になるんでしょうか。味方のいない海の中で、次はどう動くのか楽しみです。