All You Need Is Kill

昨年末に友人より借り受けた一冊。『よくわかる現代魔法』の作家さんの作品です。
「ギタイ」と呼ばれる未知の生物に侵略されている地球が舞台。主人公は新米の兵士で、初陣にて戦死してしまう。しかし、目が覚めてみると戦場へと赴く前日の朝。ただの夢だと思い、翌日戦地へと赴くが、再び戦死して気が付けば前日の朝。記憶だけが持ち越され、幾度も繰り返す時間の中、ループから抜け出すには、どうやら戦場で生き残らなければならないと考えた主人公は、勝つために必要な事を学んでいき...。
こんな話。ループする時間に囚われた主人公が、記憶だけは持ち越せるために段々と経験を積み重ね強くなっていくと言う形で話が進んでいきます。
時間絡みの説明には、いささか納得が行かない点が幾つかあったりもするんですが、それを差し引いても面白かったです。特に序盤から中盤にかけて、繰り返す時間の中での話は、読んでいて1ページ先が気になって仕方がない程、魅力的な展開でした。段々強くなっていく主人公だけど、それでも生き残る事が出来ない。一体どうしたらこの時間のループが終わるのか、本当に終わるのか? なんて辺りがとても読んでいて面白かったです。終盤にかけては、何故時間が繰り返すかと言う説明がシックリ来なかった事もあって、少々微妙な感じが漂いましたが...結末自体は悪くなかったし、総じて充分楽しめました。
この人の本は『よくわかる現代魔法』の1巻以降、読んでいなかったのですが...これだけ面白いんなら、『よくわかる現代魔法』も2巻以降読んでみよう。