空の中

この前の電撃小説大賞で大賞を受賞した作家さんの2作目。ハードカバーで分厚い1冊です。
立て続けに2度起こった航空機事故。この事故で父親を失った高校生・瞬は、ある日一抱えほどのクラゲのような物を発見する。しかし、それはクラゲなんかじゃなくて...。
大賞受賞作の『塩の街』では、ちょっと後半の展開が個人的に合わなかったので、この作品にはそれほど大きな期待はしていなかったのですが...激しく裏切られました。すげー面白かったです。
前半で未知生物と出会い、交流を深める瞬。中盤で事態は急変し、そしてラストに繋がる。どの部分をとっても続きが気になる展開のオンパレードで、読んでいて飽きません。前半で繰り広げられる未知生物との遭遇・交流には、読んでいて非常にワクワクさせられました。次に何が起こってどうなるのか。それが気になって仕方が無い。後半は...宮じい一人にやられた感じ。台詞のひとつひとつに重みがあって、それがとても良い。このキャラクタがいなかったら、多分ここまで面白く感じる事は無かったと思います。
そんな訳で、予想以上に面白くて大満足な1冊でした。さすが、ハードカバーで出すだけの事はありますな。次の本にも期待。