Hyper Hybrid Organization 00-01

高畑京一郎の新刊。電撃hp連載の外伝をまとめたものです。
内容的には、本編で出てくる悪の秘密組織「ユニコーン」が如何にして作られたかを書いたものです。主人公は「ユニコーン」の幹部・速水ですが、この外伝では、とある組の幹部として登場します。他にも後にガーディアンとなった藤岡とか、本編の登場人物がチラホラと。
著者自身があとがきで、「この話、本当に『ライトノベル』でいいんでしょうか?」と疑問に思ってしまうほど、中身はヤクザの抗争を描いたものなのですが...正直、そんな区切りはどうでも良いのです。とにかくこれは面白かった。
地の文がしっかりしている作品というのは、それだけで安心して読めるし、なにより風来坊の宮内。ラストの決闘シーンとその後の展開は最高です。お約束の展開とは分かっていても、格好良いものは格好良い。他にも外科医の村上さん。啖呵の切りっぷりとか、医者としての心情描写なんかは良かった。
また後にガーディアンとなる藤岡ですが、一体どういう経緯を辿ってそんな事になったのか、この巻を読んで一層気になりました。速水と袂を分かった理由は確かまだ書かれていなかったと思うので、謎が一つ増えた感じです。今後の展開が非常に楽しみ。
しかし話自体はほとんど進んでいない...と言うか、進んでるんだけど先はまだまだ長いと言うか。「ユニコーン」の「ユ」の字も出てきてないし。面白いんで別に良いんですが...いつになったら完結するんだろう?