バウワウ! Two Dogs Night 成田良悟 / 電撃文庫

バッカーノ!』の作者、成田良悟の新作。この人も筆が速いですな。『バッカーノ!』の新刊は来年2月発売予定だし。
舞台は佐渡と新潟の間に渡された、巨大な橋の中間にある人工島。長引く日本経済の不況により放置されたこの島は、様々な理由で本土にいられなくなった人や犯罪者がひしめきあっていた。そんな無法地帯と成り下がったこの島で繰り広げられる、一人の少年と一人の犯罪者と、そして一人の英雄のお話。
とりあえず、葛原さんがとても格好良い。特に終盤にある見開きイラストの部分。さすがに本来の主人公を喰って主人公になっただけの事はあります。
相変らずキャラの立て方が上手いです。どのキャラとっても、しっかりと存在感がある。若干『狗木誠一』が薄いかなぁとは思ったけど、このキャラの場合、存在感の薄さそのものがキャラクタを表しているんじゃないかなぁと考えると、それなりに納得がいきました。
個人的には『バッカーノ!』の方が好きでしたが、これはこれで充分面白かったです。島の設定なんかも、これ1冊だけにしか使わないのはもったいないと思うんで、ぜひ続編を。
あと一つ。ケリーさんへ。自分の街でもそのラジオドラマ流してください。