それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ【完全版】 11

富士見ファンタジア文庫版では到達しなかった完結編へ遂に突入。『オールドタイマーの時間』です。
本当にこれは10年ぶりの新作なのだろうか...と思うぐらい、違和感なく前巻から繋がっていてビックリ。お陰ですんなりと楽しめました。オールドタイマーの存在が確定的となった今、如何にして彼らとの交流を得るか、が最終目標なのでしょうか。彼らとの会話のキーパーソンは相変わらず洋子だけど、周りもそれを黙って見ている訳ではないので、どう話が収束していくのか、とても楽しみです。
特にゼンガー、そしてオットーの目論見が気になります。ゼンガーはともかく、オットーは別にオールドタイマーとの交流を目的とはしていなさそうなんですが...オールドタイマーとのコミュニケーションには戦闘力が必要と言う一点で、どれだけ自分の技術力が通用するかを試しているだけかなぁと思わせつつ、裏では何か別の目的がありそうで侮れない。しかし、オールドタイマーが、戦闘行為をコミュニケーション手段と勘違いしていると言う設定は、どこまで本当なのかが気になる所。出会った最初から攻撃を受けて、その後、洋子がメッセージ伝達手段としてインパルス砲を使ったけど、これだとインパルス砲さえあれば交流できる気がしていて、「戦闘」と言う部分がどのくらい重要になるのか...。
ネスの大提督が提唱していた『フラスニアン計画』とはなんだったのかを発端に、銀河そのものを使ったコミュニケーションとか、グレートウォールへの道とか、話が物凄く壮大になってきました。加えて今回は洋子の出番が何者かの意志で抑制されましたが、これは続く最終巻への布石でしょう。ハードウェアガールがハートウェアガールになるまで、残り1冊!!