俺はまだ恋に落ちていない 3

2人の姉妹とクラスメイトの女子、そして主人公を中心として話が巡る恋愛青春モノの3冊目。

とても面白かったです。これでもか! と言う程に繰り広げられる修羅場の連続に、悶えながら読んでいました。恋愛模様の拗れか方が素晴らしいです。主人公が、モテるのに誰も選ばないのだから当然と言えば当然の展開なのですが...そこはタイトル通り、まだ恋に落ちていないのだから責められない。全員の気持ちを正直に受け止め、その上で結論を出そうとしているのだから、もう待つしかないよね。
修羅場のきっかけとなったのは、主人公が中学時代に好きだった女の子・春子。かつて振られた主人公ですが、それには春子側に事情があって。主人公と偶然? 再開した所から話が加速。空河の誕生日会を皆で楽しくやっていた所に乗り込んでくる展開には、読みながら「うわわわあああああ」と叫びたくなるぐらいでした。そこからの修羅場っぷりが凄かった...。
でも春子は決して嫌なキャラではなく。かつて主人公が惚れ込んだだけの事はある、大変に良い子です。だからこそ、今の主人公の気持ちが彼女に向く事があるのか...と考えると切なくて切なくて。中盤以降は胸が締め付けられる気持ちで一杯でした。特に、何故今頃になって現れたのか、その理由が語られる終盤は、本当に切ない。
不安に駆られる空河や恵衣美や詠羅の気持ちも良く分かるだけに、安易に春子を選べよ! とは言えないし、例え言った所で、この主人公がここで春子を選ぶなんてする訳がない。それは分かっているんですが...やっぱりタイミングなんだなぁ。

バレンタインも終わり、次のイベントはキャンプでしょうか。次はどんな展開になるのか、とてもとても楽しみです。