烙印の紋章 11

いよいよ大詰めのシリーズ11冊目。
凄い事になってきました。国内はオルバと皇帝の対立で内乱寸前、東からは大国が侵攻を開始。裏には暗躍する何者かの姿が...と、落ち着く間もなく色々な事が起こり続ける展開。
一番凄かったのは、召喚されたオルバと皇帝の直接対決でしょうか。多くの臣下が見守る中、オルバは自分が皇太子である事を、皇帝に認めさせる展開。勿論、オルバは本物ではなく偽物の皇太子な訳ですが、一体どちらに転ぶのか...とハラハラしっぱなし。いや、どうせこの危機も切り抜けるんだろうと言う予想は付くんです。でも、その予想は結果だけのもので、過程まで分かる訳じゃない。絶体絶命の状況に追い込まれながらも、そこで悟った真実。自分は自分。皇太子であろうとオルバであろうと、本物であろうと偽物であろうと。自分がやってきた戦いや努力が消えてなくなる訳じゃない、自分を信じてついてきた人が消えてなくなる訳じゃない。この境地に至ってからのオルバの強さといったら...!! 素晴らしかった。
他にはやはりビリーナ。出番は少ないながらも見せ場はキッチリと確保して、本人は気付かないままオルバの援護を遠くの地からやっている所が良かったです。全てが落ち着いてオルバの隣に立つような未来が来た時、2人がどんな会話をするのか、想像すると楽しくなってしまう。

そしてラスト。いよいよ黒幕の動きが活発となり、一度は話からリタイアしたと思っていたキャラもどす黒い闘志をまとって復活。次で最終巻、どうまとめるのか...今からとても楽しみです。