天使の3P!

ロウきゅーぶ!』作者・蒼山サグの新作。
自作の音楽をネットで公開している不登校の高校生である主人公。ある日届いたファンメールを読むと、彼に一度会いたいと言うものだった。恐る恐る赴いてみると、そこにいたのは3人の女子小学生で...と言う感じに話が進みます。

ロウきゅーぶ!』はバスケものですが、今作は音楽もの。親を早くに亡くし、施設で育ったヒロイン3人。その施設が無くなってしまう事になり、最後の思い出作りのためにライブをやりたいと言う願いを、主人公が一緒になって叶えていく展開。
テーマは変えてもヒロインが小学生な事だけは変えない!! と言う蒼山サグの心意気をこれでもかと感じる1冊でした。良いのかこれは! とツッコミを入れたくなるシーンも多数あり、なんと言うか...流石です。
ライブをやるのが目標な訳ですが、そこで大事なのはお客さん。演奏や歌も大事だけれど、観客が入らなければライブが成立しない。客を集めるために奔走する主人公はちょっと格好良かったです。ここまでするのか...と、元々不登校だった事も考えると、凄い頑張り具合ですね。
ただ話の展開は、それほど盛り上がる感じもなく、淡々と進んだ印象も。最後には上手く行くんだろうなぁと言う予想が先に立ってしまい、それを裏切られる事が無かったからでしょうか。裏切られたら裏切られたで、何でこんな展開に!! と憤慨しただろうけど...。
個人的には、主人公のクラスメイトで、ヒロイン3人の姉役である子が好きです。しかし立ち位置上、例えシリーズ化してもスポットが当たる事は少ないんだろうなぁ。切ない。