小悪魔ちゃんとMP0の少年

Book

誰もが『炎』と呼ばれる力を持つ世界が舞台。一族にかけられた呪いの化身･インクの力を封印するため、自分の『炎』が封じられている少年が主人公。ある日、主人公は学校で、未来を見通す力『先見』を持つ美少女･彪女と衝撃的な出会いをし、彼女を取り巻くイザコザに巻き込まれていくが...と言う感じに話が始まります。

王道的な学園異能バトルもの。誰もが能力を持つ中、封印のために力を使えない少年と、強大な力を持つが故に自由のない少女。ある意味正反対の2人が出会う展開は良かったのですが...何故、主人公がヒロインのために頑張るのかが良く分からず、最後までモヤモヤしっぱなしでした。ヒロイン側が未来を読みきれない主人公の事を気にかけて、2人の距離が縮んでいく事自体は良いんだけど、主人公側は何故...。特別恋愛的な意味合いがあるようにも思えなかったしなぁ。

鈍いを封印するために、自分の力が吸われ続けていると言う設定は面白かったです。この設定は有効に使われるんだろうなぁと思っていたら、終盤に上手く使われていて良かったです。解き放れた後の主人公の無双っぷりは目を見張るものがありました。...しかし、主人公の能力の使い方には違和感が凄い。大気圧から生じる力は確かに大きいけど...ええええ。細かい科学考証は気にせず楽しむのが正解で、いちいち気にするのは無粋だと分かっていても、一度気になってしまうとどうにもならない...。