”朧月夜” ヒカルが地球にいたころ…… 4

主人公に取り憑いた幽霊・ヒカルが生前に女性たちと交わした約束。その心残りを主人公が晴らしていくお話の4冊目。今回は『朧月夜』編。
源氏物語の朧月夜は良く知らなかったので、とても新鮮な気分で読めました。蠱惑的な魅力と、危うさを兼ね備えた月夜子先輩の登場で、荒れまくる主人公とヒカルの周辺。「婚約話を遠ざけたい」と、葵から彼氏役を頼まれるものの、その行く先々で、葵に見せつけるかのように主人公にピッタリと寄り添って邪魔をする月夜子先輩が怖い。明らかに主人公に気がある葵としては気が気でないけれど、でも性格的に強く出られるような子ではないので、読んでいてとても切なかったです。
主人公にくっつく月夜子先輩に嫉妬心を燃やすのは葵だけでなく、当然帆夏も。真っ先に告白したのに、その回答をもらえないまま、気が付けば主人公の周りには葵やら月夜子やらと超美少女が何人もいる状態では落ち着いて...と言う方が無理な相談。一人先走って暴走し、後で落ち込む姿が猛烈に可愛かったです。
話の展開としては、いったい何故ヒカルが死んでから時間の経った今、月夜子先輩が絡んできたのか? と言う部分が焦点になります。終盤にかけての展開は予想外でした。怖い人だなぁと思いながら読んでいたのですが...月夜子先輩はヒカルが好きになった女性。理由もなく、あんな行動に出る訳が無いと信じてあげるべきだった...。
最後は丸く収まったと思いきや、まだまだ予断を許さない状況ですね。あの男がどう動くのか、ちょっと怖いけど、是光とヒカルなら何とかしてくれるでしょう。楽しみ。次は末摘花か...!!