六花の勇者 2

魔神の復活を阻止するために選ばれる6人の勇者。身体に花びらの紋章が浮かび上がり、必ず6人のみが選ばれるはずなのに、集まった六花の勇者は7人いた。誰が偽物だ...? と、疑心暗鬼に駆られながらも復活の近い魔神の元へと急ぐ勇者たちのお話の2冊目です。
とても面白かったです。何を語ってもネタバレになってしまうので詳しく書けないのがもどかしいのですが...前巻の途中で誰が7人目だったのかが判明し、どう続けるの? と思っていた所に衝撃のラスト。そして今回は再序盤に用意されていた衝撃。最初の2〜3ページを読んで、一体何がどうなったの!? と目が点になるような驚きが待っていました。その序盤に待っていた事態の真相を徐々に突き詰めていく展開が良かったです。
所々に仕組まれている展開の、何処かに嘘がある。それが分かっているので、何とかして見破ろうと注意して読み進めるのですが、そう簡単に行く訳もなく。結局サクッと騙されて終わりました。誓った言葉を破った者に強制的にペナルティを与えると言う力を持つ言葉の聖者。このキャラの力を介しての取引があり、ここで交わされた約束の何処かに抜け道があるはず...と思いつつ、結局見抜けませんでした。読み終ってみれば「そう言う事か」と納得出来るのに、読んでいる途中は分からないもどかしさが素晴らしかったです。
ミステリ的な要素が強い本作ですが、今回はキャラクタの内心にも踏み込む展開があった所も良かったです。「動機」と言い換えてしまえばミステリっぽいままなんだけど...。皆それぞれ勇者として選ばれたものの、その裏には当然、皆それぞれ別の人生がある。その時間の積み重ねが今回の戦いに与える影響は当然だけど大きくて。この事実に改めて向きあわせられた気分です。
そして、またまたラストに気になる伏線を残して次の巻へ。楽しみ。