101番目の百物語 6

シリーズ6冊目。前回に続き南の島が舞台で、海に現れたロアの予兆を見つけて主人公達が乗り込んでいく展開。

相変わらず面白かったです。好きだった先輩に告白して、良い返事を貰えた前巻。その先輩とのやりとりが増えるのかと思いきや、むしろ減る勢いで新たなロアへと挑んでいく展開にはビックリしましたが、主人公らしいと言えば主人公らしい。普段とはパートナーが変わり、活躍の場を求めた『赤マント』のロア・スナオを相方にして、挑んだ先は乗客が皆消えてしまったと言う船のロア。このロアも当然のように女の子なのですが、自分の身にふりかかる危険をものともせずに、悲惨な結末を迎えようとしている女の子を助けようとする展開が熱かったです。ベタベタな展開だけど、それが大好き。
恋愛方面でも面白い事になってきました。この作品における、主人公のラッキースケベ具合は半端じゃありません。でもそんな展開を「ラッキー」ぐらいに思ってありがたく受け止め、さらにバレたら変に隠さない堂々とした態度が好印象なのですが...お陰でフラグが立ちまくる。主人公には好きな人がいるし、告白だって済ませた以上、その心が揺らぐ事は無いと信じていますが、でもそれは主人公側の話。周囲の女の子がそれで諦めるとは限らないようなと思い知らされる展開に驚かされました。特に一之江さん。主人公の背中を守る、その一点において他の人が割り込む余地は無く、戦友的なポジションにを確保し続けると思っていたのに...何だこのラストは!! 確かに正ヒロインの立ち位置にいるのは一之江さんだと思うけど...。
後書きを読む限り、ようやく話が佳境に入ってきた模様。今後の展開から、ますます目が離せません。