クロス×レガリア

三田誠の新シリーズ。主人公は、1回千円と言う格安ボディガードを営む高校生。ある日、1人の少女を拾う。ナタと名乗ったその少女は実は生き物の気を吸う吸血鬼で、何者かに追われていて...と言う感じに話が始まります。

とても面白かったです。軽い雰囲気でサクサク読めて、盛り上がる所ではキッチリと盛り上がる展開が素晴らしい。謎めいたヒロインと、貧乏性で普通の高校生な主人公が出会って交流を深めていく展開は王道ですが、その王道をこれでもか! と力強く書いてくれる所が好きです。また、主人公は普通の人間ですが、それをサポートするようにメカメカしい装備が登場する所も良かった。服の下から生える、追加の機械腕、しかもAI付き...!! これは燃える。
しかしやっぱり、主人公が前向きな性格だと読んでいて楽しいですね。今作の主人公は重い過去を背負っているけれど、それから目を逸らす事なく、むしろ向きあう為にボディガード業を選んだ所が凄いと思いました。キッチリと前を向いて、選択を迫られる場面では決して逃げずに選ぶ。簡単そうでなかなか出来いんだよんぁ...。
ヒロインも可愛くて良かったです。設定的に、物凄く強いんだけどどこか諦観の漂う雰囲気が何とも言えなかったのですが...そんな空気を主人公が吹き飛ばしていき、最後に浮かぶ表情を想像すると悶えます。物凄く悶えます。イラストも可愛いし。
また、主人公を取り巻く伏線が、思わぬ形で繋がっていく終盤の展開が見事でした。読んでいてビックリ。まさかこう繋がるとは予想もしなかった。ここから先、主人公の選んだ選択がどう影響を及ぼしていくのか、とにかく続きが楽しみです。