蒼穹のカルマ 8

久しぶりの『蒼穹のカルマ』新刊。これにて完結です。
素晴らしい、の一言に尽きる最終巻でした。未来からやってきたリサの話が前巻で完結し、在紗の父親らしき人が出てきた所で終わった前巻。そして始まる、在紗の授業参観再び...と言う展開。

思い返せば1巻、真面目そうな表紙とタイトルから堅い話かと思って読んでみれば、姪っ子の授業参観に出るために駆真が暴走に暴走を重ねる話で、なんだこれは...!! と思ったのがはるか昔の事のよう。そして最終巻で再び訪れる授業参観。この最終巻での授業参観も、が在紗の授業参観に出るため、あらゆる障害をなぎ倒して話が進みます。この1巻との対比が凄く良かった。1巻では目の前の障害をクリアするために、神様の試練を乗り越えたり異世界で魔王を倒したり...と、試練を乗り越える度に知り合いが増えていく展開でしたが、この最終巻ではその人脈が逆に活用されます。これまで駆真が1巻から(意識せずに)知りあってきた人々の力を借りて、一つ一つ障害を薙ぎ倒していく。やっている事は1巻とそれほど変わらないのに、張られた伏線を全て回収しながら、ちゃんと8冊分の重みが加わった展開として読める点が最高でした。
そして迎えたエピローグはこれぞ大団円、と言わんがばかりの展開。リサの駆真の話に意表をつかれ、ラストの授業参観には、自分でも思いもしなかった感動がありました。本当に見事にまとまった、素晴らしいシリーズだったと思います。大満足。