明日から俺らがやってきた

第18回電撃小説大賞電撃文庫MAGAZINE賞受賞作。
大学受験するか、推薦で入学するか。進路で悩む男子高校生が主人公。ある日、未来から2人の「自分」がやってきた。片方は受験を選んだ未来から、もう片方は推薦を選んだ未来からやってきた「自分」で、どちらも今とは違う進路を選べ! と、各々の悲惨な未来を語って...と言う感じに話が始まります。

面白い設定の作品でした。どっちを選んでも待っているのは悲惨な未来。ではどうするの...? と言う所でクラスメイトのヒロイン・高瀬の未来を聞いてしまい、彼女のために己の進路を決める展開が良かったです。全体的に地味で微妙に盛り上がりに欠ける印象を受けましたが、ヒロインのために主人公が自ら行動をする所は好印象。やっぱり主人公はこうでないと。
未来から来た2人は、どちらも極端に生き方を選んだ結果であって、その間を選ぼうと思えば選べるし、この進路を決めるタイミングでどちらを選ぼうと、その先の未来は主人公自身のもの。当たり前の事なんですが、大事な事ですね。人生、頑張ってもどうにもならない事もあると思いますが、頑張らないとそもそも選択肢すら増えない。そんな事を再認識した1冊でした。