スクール・デモクラシー 1

ヒロインの超お嬢様・高天原奈々が校則の厳しさから逃げるように転校した先は、誰もが議題を提案でき、全校生徒による投票で一定の支持を得られれば校則ですら塗り替える事が出来る、「学校内民主主義」を掲げる巨大な学園。「真・生徒会」と「カオス・生徒会」なる2つの生徒会があり、ヒロインはその対立に巻き込まれていき...と言う展開。

面白かったです。世間知らずのお嬢様が、2つの生徒会の対立に巻き込まれながら、自分の意思をハッキリと持っていく展開が良い感じ。「票さえ集まれば何でも出来る」と言う制度は表面上は真っ当な民主主義に見えますが、その裏には様々な工作があり、決して綺麗事だけでは無い。最初は真・生徒会の綺麗事に共感したヒロインですが、裏を知り、自分の気持ちに素直になって行動を決めていく所が特に良かったです。
この1巻は、「雑誌の持ち込みを許可する」と言う議題を巡っての対立がメイン。真・生徒会が自由にも規律は必要、と言う立場ならば、対立するカオス・生徒会はその逆。極論過ぎる真・生徒会の物言いにはイラッと来る部分が多々あったので、心情的にはカオス・生徒会寄りで読んでいました。話も、カオス生徒会寄りで進むので良かったですが、こっちはこっちで癖のある人物しか揃っておらず、裏では何かを企んでそうでちょっと怖い。
お気に入りのキャラは、カオス・生徒会の1人。こっちの生徒会は全員が痛い真名を名乗っているのですが、その中でもヒロインのクラスメイトである「ブサイクロン非モテ」がメッチャ格好良かったです。真名の通り、決して見た目は格好良くないのですが、その心意気はまさに漢としか言いようがないぐらい。物凄い堅物だけど、ヒロインに恋をして、ちょっと引いた位置から一途に想い続ける姿勢と、いざという時には迷う事無く踏み出す勇気を持っている所が素晴らしい。ホント良かった。

最終的にはカオス・生徒会へと身を置く事にしたヒロイン。恥ずかし過ぎる真名を与えられた事に爆笑しつつ、今後はどんな議題を上がってくるのか、楽しみです。