SU-SHI-BU! 1貫目

第13回えんため大賞・特別賞受賞作。
本名・イソノカツオ。ネタのような名前を持ち高校へと入学した主人公は、変な上級生・江戸前素子に部活へと勧誘される。それは江戸前寿司部。江戸前寿司に魅入られ、寿司職人への道を目指す素子に振り回されつつ、正式な部への昇格を目指して部員を集める事に...と言う感じに話が始まります。

部活の創設と、そこに到るまでのメンバー集めと反対者達からの妨害。普通の部活ものに見えますが、その部活が江戸前寿司部だと言うだけで、どこか変な印象を受けた1冊でした。ヒロインからして、生まれは違う場所なのに、寿司職人を目指して口調も性格も江戸っ子。主人公は、同じ部活にいたもう1人の美少女? な先輩の美しさに惹かれて部に残る事を決める。基本的にはヒロインが動いて周りが引っ張られる...と言う展開。メチャクチャをやるヒロインですが、その行動は全て江戸っ子基準なので、読んでいて気持ち良いメチャクチャっぷりでした。
キャラクタでは、ワサビちゃんこと葵が良かったです。素直になれない主人公の幼馴染ポジション。怒るとすぐに手が出るのはアレですが、根は凄く良い子です。しかも、素子がヒロインらしくないヒロインだし、他の部員も、もろもろの事情で主人公の相方には成り得ない。本来なら葵は、当て馬の如く陽の目を見ないポジションのはずなんですが、この作品に限っては十分目がある!! これは応援せざるを得ません。でも、主人公の視線は全く葵の方を向かないんだよなぁ。哀しい。
しかし、この終わり方は予想していませんでした。え、そこで続けるの...?