龍ヶ嬢七々々の埋蔵金 1

第13回えんため大賞・大賞受賞作。
家業を継ぐ事に反対し、父親から勘当されて追い出された先は、とある学園島。地縛霊の美少女・龍ヶ嬢七々々が居座るアパートへと引越す事になり、共同生活が始まった。この七々々、学園島建設に尽力した7人のうちの1人で、生前の七々々は、世界各地から超常の力を持つ宝物を集めていた。通称・七々々コレクションと呼ばれるその宝は島の各所に隠されており、主人公は、その宝を探す探検部へと入部して...と言う展開。

とても面白かったです。読んでいてワクワクが止まらない。「宝探し」と言う単語から漂うロマンが半端無いです。それも普通のお宝じゃなくて、全て不思議な力を持つお宝。さらに、その各紙場所も摩訶不思議なトラップに包まれていて、一筋縄じゃ手に入らないとか...!! いったいどうやって隠したのか? と言う謎も含めて、とにかくうずうずとした興奮がずっとついて回った内容でした。世界的な義賊・祭と呼ばれる組織も七々々コレクションを狙っており、主人公達の活動とぶつかるし。
島を作った7人の存在も、どこかミステリー。全員が全員、どこか一芸に飛び抜けていて、そんな人たちが力を合わせて自分達の目的の為に島を作った。ここだけ聞くと良い話に思えるけれど、絶対裏があるよなぁ。そもそも、七々々は何者かに殺され、自縛霊になった訳だし。
また、個人的にはヒロインの壱級天災が凄く気に入りました。名探偵を名乗る少女で、話し方は自信に満ちあふれていてどこか尊大な雰囲気があるのですが、決して嫌な感じはせず。名探偵と名乗る事に誇りを持ち、例え人から笑われても動じない心の強さが素晴らしいです。しかし男には慣れておらず、主人公のふとした言動に戸惑う姿がメチャクチャ可愛い。こう言うキャラ、大好き。付き人の美少女? と主人公と共に探検部に入ったので、今後の活躍も楽しみ。

シリーズ化も決まっているようで、ラストでは主人公の家業が明かされただけでなく、対立する存在までハッキリと書かれていました。これまたなんと言うロマン。続きが楽しみで楽しみでたまりません。待ち遠しい!