いもうとコンプレックス!

第23回ファンタジア大賞・銀賞受賞作。
妹が大好きで重度のシスコンな生徒会副会長が主人公。高校進学を機に、とある体質のため友達が出来ない妹を心配して、生徒会長である幼馴染や、妹のクラスメイトを巻き込んで行くのだが...と言うお話。

妹は「周囲の人に不幸を振りまく」と言う体質で、そこには少し超常の力が絡むのですが、基本的には学園コメディ。愛情と友情と恋で占められていて面白かったです。
全ては妹のため!! と、暴走まがいの言動で突っ走る主人公と、そのフォローに奔走する幼馴染、そして妹とそのクラスメイト。どのキャラも魅力的で素晴らしい。妹は兄のシスコンっぷりほどでは無いけどブラコンだし、幼馴染はどう見ても主人公の事が好きなのに素直になれないツンデレだし。妹の友達候補として真っ先に登場したクラスメイト・恵怜菜は世間知らずのお嬢様で、主人公に振り回される内に徐々に惹かれていくし。キャラが立っているお話は、それだけで面白い。
個人的には、幼馴染キャラががお気に入り。鈍感過ぎる主人公に気持ちを気付いてもらえなくて、最後にはツンとした態度になる...と言う展開が大変ツボです。この絶妙な報われなさ加減が良い感じでした。。ツンデレキャラはこう言うポジションが一番好きです。その胸の内を想像すると、切なくて最高。
また、終盤には妹の友達、と言う部分にスポットが当たり、友情ものとしても楽しめて良かったです。色々な場面で良かった...と思える箇所があって、読んでいて飽きなかったのも好印象な1冊でした。