ようこそ、フェアリーズ・インへ!

ウェスタディアの双星』の作者の新作。ファンタジーな世界観で繰り広げられるノンビリとしたお話。文無しの主人公は滞納している宿代を稼ぐため、冒険者を志す。宿泊している宿の女将さんが倒れ、孫娘を探しに行くのだが...と言う展開。

『お留守バンシー』が好きだった人間としては、小河正岳のファンタジー! と言う事でとても期待していた作品。良い感じのユルさと可愛らしさで、ほのぼのとした雰囲気が良かったです。
しかし主人公...世話になった女将さんのため、身体を張って頑張るのは良いのですが、人の話を最後まで聞けっ! と突っ込みたくなる事もしばしば。ちゃんと聞いていれば避けられた危機に突っ込んでいく場面では、もう少し頭を使ってくれと言いたくなってしまう。肝心な所では逃げずに立ち向かっていく勇気を持っているのは素敵な事だけれども、ピンチは幸運と逃げ足で切り抜ける姿、ちょっと情けなく思えてしまいました。まぁそのお陰で、ヒロインである女将さんの孫娘と仲良くなれて、災いが転じて福になった訳だけど。

ところで、これはシリーズ化するのでしょうか。まだまだ序盤...と言うか、導入だけだった印象が強かったので、もう少し続きが読んでみたいです。ヒロインの魔力付与の魔法とか、もっと見てみたいし。出ると良いなぁ。