魔術師たちの言想遊戯 1

第12回えんため大賞・特別賞受賞作。
主人公は高校生。本屋でアルバイトをする事になったが、その本屋・言想堂は言霊を操り魔術とする言想魔術師である女性3人が勤める隠れ家だった。主人公は言想魔術師たちの戦いに巻き込まれていき...と言うお話。
読むのにやたらと時間がかかった1冊でした。魔術に「言葉」を用いるお話のためか、とにかく文字の密度が濃い。文章が少々重くて、微妙に読み辛かった...。そして主人公には秘密があって、途中でガラッと性格が変わって戸惑ったり。途中でどう言った理屈か分かってからはすんなりと読めたけど。
内容的には現代異能バトルもの、と言った形でしたが、割とシリアス寄りでコメディ的要素は控えめ。話の展開もそれほど派手では無く、地味な印象。しかし主人公達の操る言想魔術の発想は、言葉を色々な側面から捉えて、それぞれ特徴的な作りになっているのが良かったです。
個人的にはヒロイン・フラグと主人公のクラスメイトの娘・環が魅力的に感じました。フラグは途中まではそうでも無かったのですが、ラストが! 完全にデレとる...。環の方は彼女にかけられた呪いと、その終わらせ方が良かった。これは気付かなかったなぁ。そして最後の一文が良かったです。思わず噴いてしまった。ホントその通りですね!