狼と香辛料 16

長らく続いたロレンスとホロの旅、これにて本編最終巻。
ヨイツへの情報を求め、様々な危機を乗り越えて辿り着いたレスコの街。しかしこの街でも、儲け話の裏にきな臭さが漂い、逼迫し事態に陥ってく展開にはハラハラとさせられました。ロレンスへの想いが募れば募るほど、ホロの強気な仮面が崩れていく。危険に飛び込もうとするロレンスを必死で食い止めるホロの姿からは、その本気さがありありと伝わって来ました。
ロレンスはロレンスで商人としての自分と、ホロを選んだ自分の間で揺れて揺れて。ここまで来たらハッピーエンド以外あり得ない。そうと分かっていても、ひょっとしたら...と言う不安がつきまとって、最後まで落ち着いて読めませんでした。しかし...そんな想いに揺れながらも、ロレンスとホロが心を繋いでひっくり返した最後の展開がとても良かったです。はるか南、パスロエの村で出会い、この北の地までの間に築き上げた信頼と愛情の全てが、この瞬間に集約されたかのように思いました。素晴らしい。

そして読み終わった後の感想はただ一言。お幸せに。